地質学入門 |
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| 写真−1 断層面の鏡肌(左は露頭、右は採取した断層面) |
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| 写真−2 地すべりのすべり面の鏡肌(褐色部はモンモリロナイト) |
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| 写真−3 上記写真の現場でのすべり面せん断試験結果によるすべり面の鏡肌 |
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| 岩盤・岩石の種類 |
| 岩石は、地質学的なサイクルの中、工学的な性状が変化する特性がある。生成された岩石は、地殻応力や熱水、地熱などの影響を受け劣化が進む。更に地表面近くに達すると応力解放や風化作用を受けて固結性を失っていき、地すべりや崩壊が発生して再び川を下り海に堆積する(図.1参照)。岩盤は、工学的には硬岩と軟岩に区分される。硬岩は岩盤中の割れ目などの不連続面の物性に挙動が左右されるのに対して、軟岩は岩石自体に物性がより支配的で、土に近い性質という違いがある。 |
| 表.1 岩盤の種類 |
| 岩盤 |
大区分 |
中区分 |
岩石の例 |
特徴および災害との関連性 |
| 硬岩 |
堆積岩 |
砕屑岩
火山砕屑岩
化学的沈殿岩
有機岩 |
泥岩、シルト岩、砂岩
火山灰、火砕流堆積物
石灰岩、チャート |
粒子そのものと膠結質の性質、埋没深度、地質時代の古さが工学的性質に影響を与える。 |
| 火成岩 |
火山岩
半深成岩
深成岩 |
流紋岩、安山岩
玄武岩、花崗斑岩
ひん岩、花崗岩
はんれい岩 |
構成粒子の物性の違いや冷却収縮による割れ目が特徴。板状や柱状の節理が発達し、透水性にも影響を与える。貫入変質した構造性蛇紋岩は、粘土鉱物を生じて吸水膨張する。 |
| 変成岩 |
接触変成岩
広域変成岩 |
ホルンフェルス、大理石
片岩、片麻岩、圧砕岩 |
広域変成岩は、鉱物が一定方向に配列していて片状を呈し異方性が著しい。変成度の高い片岩は、岩片のはく脱や岩盤ブロックの滑動が発生しやすい。 |
| 軟岩 |
初生的軟岩 |
堆積性軟岩
火山性軟岩 |
新第三紀〜第四紀堆積物
溶結凝灰岩、自破砕溶岩 |
固結度が弱く空隙が多い。クリープ変形・スウェリング・スレーキングなどの現象がある。モンモリロナイトを含む場合は、特に膨潤が著しい。 |
| 後生的軟岩 |
破砕軟岩
変質軟岩
風化軟岩 |
断層破砕、熱水変質岩
機械的、化学的風化作用 |
熱水変質により粘土鉱物が生じ劣化する。モンモリロナイトが生じて地すべりが発生している例が多い。泥質岩や変質岩は風化しやすい。 |
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| 図.1 プレートテクトニクスから見た岩石の地質学的なサイクルと地学現象の概念(平野 1996に着色) |
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| 地質構造 |
岩盤崩壊や岩盤すべりといった斜面災害では、そのすべり面・滑落崖・側壁の形成が何らかの地質構造に規制されている場合が多い。したがって、地質構造を明らかにすることがこれらの斜面災害の発生機構を解明する上で不可欠である。
地質構造の内、特に斜面災害と関わりが深いのが、層理、断層、節理、面構造(劈開・片理等)、褶曲である。 |
| 表.2 斜面災害に関係する地質構造の種類 |
| 地質構造 |
分類 |
特徴および災害との関連性 |
| 層理 |
単層、斜交層理、逆転層 |
堆積過程で堆積物質の変化や堆積条件の変化によって、堆積物内に生じる成層構造を指す。成層構造の一枚一枚を単層と呼ぶ。層理面は、岩相の不連続面で剥離面となることが多く、層理面に沿った崩壊が発生しやすい。 |
| 断層 |
正断層、衝上断層(逆断層)、横ずれ断層 |
岩石中の破断面の内、破断面と平行な変位(移動)が認められるものである。断層面には断層運動の摩擦で鏡肌が形成され、表面に擦り傷(スリッケンライン)が認められることが多い(写真−1)。すべり面も断層の1つであり、同じように鏡肌が形成されている(写真−2、3)。
断層は、斜面災害の滑動ブロックや水文地質を規制する条件となる。 |
| 節理 |
伸長節理、剪断節理 |
岩石中の破断面の内、面に沿って肉眼的な変位が認められないものである。節理は、ほぼ一定の間隔で系統的に発達することが多く節理系を形成する。岩石中の弱面となり、岩盤崩落などの斜面災害や岩盤の透水性に影響を与える重要な構造要素である。 |
| 面構造 |
片理、劈開、片麻岩状構造、流理構造 |
岩石中に発達する二次的な面的構造要素。片理や劈開は、板状で風化を受けやすい。剥離性が高くこの方向での岩石強度が低いので、この面に沿った崩壊が発生しやすい。 |
| 褶曲 |
向斜構造、背斜構造、横臥褶曲、岩盤クリープ |
層状の岩石の波状変形のことである。褶曲そのものが斜面災害の規制面となることは少なく、褶曲に伴う劈開や断層、片理、層面が斜面災害に影響を与えている。褶曲の軸部に弱線が形成されていることが多い。
岩盤クリープは、岩盤が重力により徐々に変形する現象で、片状岩が急傾斜でかつ受け盤になっている場合に形成されることが多い。 |
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| 写真−4 砂岩・頁岩互層(逆転層) |
写真−5 溶結凝灰岩と降下軽石、火山灰 |
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| 写真−6 断層写真(写真−1の断層) |
写真−7 堆積時の変形によるスランプ褶曲 |
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| クリノメータの使い方 |
| (実体視出来ます) |
| (1) 走向の測り方 |
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| 走向とは地層面と水平面との交線の方位である。走向をはかるには、図に示したように、クリノメーターを水平に保って地層面にふれさせる。方位は走向線が北から何度東あるいは西に偏っているかで表し、北から30°東へ偏っている場合(図)には、N30°Eと表し、クリノメーターの磁針によって測定する。走向が南北の場合はNS、東西の場合はEWである。 |
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| (2) 傾斜の測り方 |
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| 傾斜とは、地層面と水平面のなす角度であり、クリノメーターの長辺を走向線と直交するように地層面に立て、クリノメーター中にあるハート形のおもりの中心が示す角度を読み取ることによって測定できる。傾斜角が60°でクリノメーターの長辺の下向きの方向が西である場合には60°W、同じ角度で長辺の方向が南である場合には60°Sとあらわす。 |
| <倉木三郎 1984「地学ステレオ図集」p62 実教出版> |
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