国土防災技術株式会社

サイトマップ お問い合わせ
HOME
技術情報
 
HOME > 技術情報> 技術資料 > 斜面防災 > すべり面せん断試験
 
技術トピックス
技術資料
学会投稿・発表論文・報文

すべり面せん断試験

すべり面せん断試験機全景
すべり面せん断試験機全景
試験の概要
 地すべりは,薄い粘土層を挟んだ局所的な弱面がすべり面になっている事例が多く,特に第三紀層の地すべりでは,鏡肌を呈すような状態で確認される場合があります。すべり面せん断試験機は,こうしたすべり面等の地質不連続面を含む不撹乱試料を用い,原位置に発揮されるせん断強度を精度よく計測することを目的として開発した一面せん断試験機です。
新第三紀凝灰岩・泥岩地帯の鏡肌を呈す地すべり面
新第三紀凝灰岩・泥岩地帯の鏡肌を呈す地すべり面(分離面には擦痕が確認される)
 
試験機の特徴1 すべり面と試験時せん断面位置を一致させるための工夫
 アクリル製せん断箱の外側から,供試体の状況(すべり面の位置)を目視確認できます。また,底盤昇降ジャッキにより,供試体の上昇・下降が自由なため,すべり面を試験時のせん断面位置にしっかり一致させることが可能です。
 
試験機の特徴2 せん断過程でせん断箱が自由に水平回転できるシステム
(特許出願中 2004-313171)
 当試験機は,せん断箱や垂直荷重載荷盤軸にベアリングを介し,せん断箱(供試体)が自由に水平回転可能な構造となっています。このシステムにより,すべり面表面の擦痕方向が事前に確認できない試料でも,最小せん断力が発揮される方向に,せん断方向の補正が期待できます。
せん断箱周辺構造
せん断箱周辺構造
 
試験機の特徴3 ボーリングコアを用いた試験が可能です

 従来,当試験は,主に地すべり地内の集水井の切羽や切土法面に確認されたすべり面を対象に試験が行われていました。ボーリング調査でも良質な不撹乱状態のコアを採取する技術が向上してきており,乱さない含すべり面試料を採取することで本試験が実施可能です。供試体径が60mmであるため,呼径86mm以上で採取された試料を対象としています。

新第三紀泥岩凝灰岩 新第三紀シルト岩 新第三紀泥岩シルト岩 三波川帯珪質片岩
新第三紀泥岩凝灰岩
(千葉県)
新第三紀シルト岩
(新潟県)
新第三紀泥岩シルト岩
(山形県)
三波川帯珪質片岩
(徳島県)
ボーリングで採取されたすべり面
 
1. ボーリングコアにすべり面を確認 2. 形成時に擦痕方向を確認 3. すべり面が水平となるように円柱状供試体を成形
1. ボーリングコアにすべり面を確認 2. 成形時に擦痕方向を確認 3. すべり面が水平となるように円柱状供試体を成形
4. せん断試験の実施 5. 試験後にせん断面を観察し、すべり面とせん断面位置の一致を確認
4. せん断試験の実施 5. 試験後にせん断面を観察し、すべり面とせん断面位置の一致を確認
試験の手順
 
試験実績

 これまで,全国各地の数多くの地すべり地で試験実績を積んでおり,その成果は,論文にもまとめられています。

各地質帯におけるすべり面のせん断抵抗角
各地質帯におけるすべり面のせん断抵抗角(眞弓ほか,2003)
 
地質区分名

 近年,三次元安定解析が注目されてきており,すべり面の位置によって異なる複数の土質強度パラメータを与えた解析も行われつつあります。すべり面の実態を把握して,土質試験値を反映させた安定解析の取り組みが,今後ますます望まれていくものと思われます。
 既にすべり面深度が確定している地点で,パイプ歪計などの再設置や,地下水観測専用孔設置のため,ノンコアボーリングが実施される場合があります。その際,すべり面深度周辺部のみコア採取し,当試験を実施することも大変有効と考えられます。

 
業務実績
  • 各都道府県
  • 研究機関
 
関連製品および工法
 
関連技術情報
 
主な関連論文
  1. すべり面せん断試験によるすべり面のせん断強度評価 (眞弓孝之・柴崎達也・山崎孝成) 地すべり,2003,Vol.40,No4,pp.273-282 (※平成17年 日本地すべり学会研究奨励賞 対象論文)
  2. ボーリングコアを対象としたすべり面せん断試験機への改良 (由田恵美・柴崎達也・眞弓孝之・山崎孝成)第40回地盤工学研究発表会講演集,2005,pp.307-308
  3. “新型”すべり面せん断試験機 −ボーリングコアに確認される地すべり面のせん断強度計測の技術−(柴崎達也) 地すべり技術,2005,pp.67-70
   
HOME会社情報業務情報|技術情報|製品情報リンク集